週刊ネコ通信

日記とか備忘録とか。

「夏休みの宿題」/村松健(1990)

村松健ブックオフイージーリスニング棚(500円)でたまに見かけるアーティスト、という印象が強いです。「夏休みの宿題」も近所のブックオフで購入しました、ジャケがパッと見よいかんじ、というのが棚から手にとった時の直観です。

内容もイージーリスニング〜ポストクラシカルと言われるもので、ピアニストの村松らしく、いかにもピアノ的なフレーズが多いです。ありきたりといえばそうかもしれないんですが、何とも叙情的なメロディと「夏休みの宿題」というタイトルが想起させるノスタルジーがとても好みです。先入観もあるのかもしれないけど、この音を聴くと2020年代の夏休みではなく、確かに1990年代の夏休みをイメージさせられるというのは中々不思議なものです。

おセンチ、というのとも少し違う独特の良さがあります。失くしてしまった想い出の数々が蘇ってくるような、まるでお盆に見る夢のような、あちら側に引き込まれてしまいそうなはかなさが大変心に沁みます。どちらかというと、他人にこの良さを教えてしまうよりも、自分ひとりで良さを一人占めしたくなる大事なアルバムです。これからも大事に聴きたいと思っています。

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しかし全曲サブスクで聴けるとは……良い時代になったものです……。