週刊ネコ通信

日記とか備忘録とか。

今週の何か 〜PCゲーム・PSゲームなどのボーカル名盤を聴いてみる〜

気になったものを非網羅的に雑に紹介するこのコーナー、今回はPCゲーム(ギャルゲ、エロゲ中心)のボーカル曲をコンパイルしたCDアルバムやPSゲーム関係のCDを中心にゆるーく書きます。

筆者の趣味でメロウ感があるBPM遅めの曲や、130付近で踊れる要素がある曲が中心となります。

 

Standard Composition R(2002)

2枚組。ボーカル曲を集めた盤とインスト曲を集めた盤で分かれている。

ボーカル曲は00年代初頭のエロゲ・ギャルゲ曲でメロウな曲を求めている人には間違いなくオススメできる。ラテンバラードのM5「ICED TEA」、BPM130なのにやけに物憂げなのにベースがブリブリ鳴らしているM10「トゥインクルチューン」など聴きどころが本当に多い。

インスト曲の方は、まあゲーム中のBGMコンピレーションなのだが、Vaporwaveが完全に消費されている今聴くとNewAge〜Ambientっぽく聴けて面白いかもしれない…楽曲の質は良いです。よくある、ピアノ主体でエモっぽく感情的に弾いた出来損ないではなく、ちゃんと聴けます。M7の「Duo Tune」なんかローズとハイハットとベースの3楽器だけででごく最小限の音を使ってラテンしていて面白いですよ。

なお、同シリーズで「Standard Composition L」も出てるが、Rの方が音楽として聴けると思う。「L」も2枚組で片方がボーカル曲、もう片方がインスト曲になっている。

相場が高騰しつつありますが、2年前だと駿河屋で200円で買えたのです…

 

KID MUSIC MUSEUM Vol.2(2003)

知ってる人は知ってる名盤。2枚組でDisc1がインスト、Disc2がボーカルが2曲入ってます。この「まばたき」という曲が松岡由貴さんと植田佳奈さんが歌う名曲中の名曲R&Bなので最高…

聴き直して見ると、インスト盤も結構いい感じに聴けるんですよね…

 

PandA anniversary しろぱんだ・くろぱんだ(2002)

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ぱんだはうすのBGM集。全体的に妙に音楽のクオリティが高く、買って後悔しない盤。SPARK! いいよね… 希少盤で市場に全く出てこないので、見かけたら4000円でも5000円でも買ったほうがいいです。

何度も言ってる話ですが、この曲を知り合いのdiggerに教えていただいて衝撃を受け、オタク音楽にのめり込むきっかけとなった個人的にも重要な盤です。

 

エスクード ヴォーカルコレクション vol.1(2008)

「ラブリー・ラブドール」OP曲がBPM130で程よく時代感があってAメロの平行進行で下降するコードワークが良い!

「メタモルファンタジー」OP曲のM5「ミラクルファンタジー」もファンクなギターが入っていて良い!(BPMが124で微妙に遅いのが惜しい)

 

ウィザーズハーモニーR・ヴォーカル&ショートドラマCD(1999)

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水野愛日さんのボーカル曲目当てで購入。ちょっと音質が不満でしたがPCMライクなPCゲーのラテン曲でひとまず満足しました。藤田朋子さん歌唱のボサノヴァM5「Moonlight Night」が良いです。

 

ファーストスマイル 創立3周年記念 笑顔の約束 声優ヒロインボーカルコレクション(1999)

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名盤。こんなに声優も楽曲も豪華でいいものか…生楽器と打ち込みが高い次元で止揚されてA-POPの極北と言える出来になっています。(ちょっと上記までの流れとは違うけど)なんというか、こういう内向きのオタク楽曲というのは最近めっきり少なくなってしまい、聴くたびに時代に取り残されてしまったような奇妙な焦燥感に駆られます。

これも随分前の話ですが、知り合いの間で「キスが嫌いなテディベア(岩男潤子&氷上恭子)」で盛り上がりに盛り上がった時期が忘れられません。

氷上恭子さんの「クロッカスの羽」など、元作品のサントラにプレミアが付いているボーカル曲もおトクに聴けます。最高…!!!!

 

Parfait Song Collection (2000)

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これも良いんです…水樹奈々さんや堀江由衣さん、水橋かおりさんが参加していて特に堀江由衣さん楽曲は音数少なめながら成立していて家でじっくり聴きたいタイプの音楽に仕上がっています。

 

ACTRESS vocal collection あくこれ!!(2013)

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発売年は2013年ですが、往年の名作からコンパイルされています。

このコンピ以外では8cmシングルでしか聴けないこおろぎさとみさんの楽曲やすげ〜ゴキゲンな水澄鈴さんの楽曲が聴ける豪華3枚組41曲のコンピレーション。

 

明日の記憶 Featuring Emi Sanokura From Noel(1996)

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これもPSゲーム関係のアルバムなので微妙に本旨からズレますがとにかく良い!ボーカル曲6曲中4曲を岩男潤子さんが歌っており、実質岩男潤子さんのミニアルバムのような出来上がり。

竹本晃のインストも結構聴ける内容で、A-POPならぬA-NewAgeという新ジャンルが勃興しそうな勢いです。

 

まじかるで〜と ZUNTATA(1997)

これもPSゲームの楽曲なのですが、もう良いとしか言えない出来です(ボーカル曲は6曲しか入ってませんが)。ボーカル曲とゲーム中BGMが収録されていますが、ボーカル曲はマスターが違うのか明らかに音質が違うので安心して聴けます。

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

こういった楽曲群は自分の中では一貫した評価軸で捉えているつもりなのだがいまだにどういう括りなのかが言語化できないのがちょっと悔しいのと、やはり90年代後半から00年代初期にしか存在しない楽曲なので一種の変形した懐古趣味に浸っているだけなのではないか…という焦りがある。好きなものは好きなので仕方がないのだが、殴る/殴られるインターネットにおいてはあまりにも微力だなというのはたまに考えてしまう。そして考えようによってはただの老害やなというのも恐ろしい。過去だけでなく現在にも向き合って自分をアップデートし続けないと追いていけないのは時間的に大変辛いものがあるのだが、でもやっぱり色々探して聴くのは楽しいよね、というのが唯一の救いなんだよね。

ゲーム音楽に関する思い出

数年働いてますが生活を満足に送れるだけの給与が支払われない。助けて下さい。

 

さて、「ゲーム音楽ディスクガイド」が発売された。

ゲーム音楽ディスクガイド──Diggin' In The Discs (ele-king books)

ゲーム音楽ディスクガイド──Diggin' In The Discs (ele-king books)

 

 ライターの方々がゲーム音楽をあくまで「音楽的な」観点から選び抜いたガイドであり、とにかく圧倒的な情報量(と細かい文字組)に圧倒される。順に読むようなものでもないのでパラパラとめくって楽しんでいる。明らかに相場の関係で通常入手不可能だろう…というものも複数含まれているが、これほどバリエーション豊かにサントラが発売されていた、というのを総覧できるのは面白いと思った。

ゲームタイトルごとの索引が付いていない(音楽的なディスクガイドだからでしょうか)のはいくらなんでも不親切ではないのかなあ…とちょっと思ってしまった。

 

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バルトークのブルガリアのリズム

なぜかずっと「ブルガリアのリズム」を(3+3+2)/8拍子そのものだと思い込んでいた(ミクロコスモスにその拍子の楽曲があり、しかも解説でそのように書かれているのを見た覚えがあったからだ)が全然違った。

 

変拍子の楽曲に対するピアノ指導についての一考察 ─バルトークブルガリアン・リズムによる 6 つの舞曲》を中心として─】

http://repo.kyoto-wu.ac.jp/dspace/bitstream/11173/111/1/0080_009_003.pdf

 

この論文はブルガリアのリズムに特化していてわかりやすいが、核心となる部分は「バルトーク音楽論選」(ちくま学芸文庫)に収録されているバルトーク自身の言葉に依るもの。

バルトーク音楽論選 (ちくま学芸文庫)

バルトーク音楽論選 (ちくま学芸文庫)

 

 

複雑な変拍子がごく自然にブルガリアないしその他の東欧諸国で歌われていた(と書かれていれば信じるしかない)とのことだが、この「片足を引きずって」いるかのリズムが何故生まれたかに関する考察はいまいちよくわからない。バルトーク自身も注意不足で採譜の譜割りを間違えたと告白しているほどだから原音はそれほどまでに独特のリズムだったのだろうし、起源に関する研究は自分以外の者に任せるつもりだったのかもしれない。

 

バルトーク音楽論選」の前半ではバルトークが無調音楽をこき下ろし、代わりにストラヴィンスキードビュッシーの音楽に対する姿勢を認めるかのような発言をしている文章が読めたのでそれだけでも興味深かった。ドビュッシーワーグナー的な体制から脱出するために自身のルーツ?とも言える古いフランス音楽に遡る必要があった、という指摘も読んでいて楽しい。凄いのは、そうした方法論をバルトークが自身に厳格に適用し、労の多い緻密なフィールドワークを実施して原初的な状態の民族音楽の中に活路を見出そうと悪戦苦闘したというところだと思う。

後半の講義録では民族音楽に関するペンタトニックからの解釈が譜例付きでそれなりのページを割いて掲載されてこれもかなりためになった。

今週の何か 〜声優曲とか vol.14〜

DYNAMITE/姫咲杏梨(CV:金魚わかな)、理事長(CV:立花理香

スマホゲーム「8 beat Story♪」より、コンテンポラリージャズな一曲。イントロ〜Aメロは完璧なのだがサビ前半が普通のポップスになってしまってるので…惜しい! が、かなり良いです。音源リリースはまだみたいなのですが期待しています。

  

 chocolat結城比呂

超名曲だと思うのですがシングルのみ収録曲。カッティングギターも良いが、何よりバッキングのオルガンの音色が素晴らしい。作曲は安西史孝。

 

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2019_03_27

日曜日から来ました。

 

1.

青椒肉絲をたまにはレシピを読んで作るか、と思って陳建民のレシピの通り作ったら法外に美味い青椒肉絲が出来て大変満足した。

www.kyounoryouri.jp

肉に火を通したらピーマン(なるべく細く切りたい)を混ぜて炒めピーマンが固いうちに一度取り出すのと、

薄切りにした長ネギ・ショウガをオイスターソースで炒めて肉ピーマンを戻し入れる、がとにかくポイント。オイスターソースで長ネギを炒める効果は絶大である。

また、いつも面倒で調味料を直接フライパンに入れてしまうのだが、基本通り、合わせ調味料を作ったのも良かったのかもしれない。基本はだいじです。

 

2.

最近はゲームのプレイ動画ばかり見ている。F-ZERO GXでこの数年間とてつもなく地道にプレイ動画を上げ続けているbrave1225氏の新作動画は、ほぼノーミスな走りのうえ美しさが際立っており、絶賛している。

特に2周目の大ジャンプの後、流れるように機体を傾けて下降加速しながら着地しピットエリアに突入する当たりが本当に素晴らしい。

www.youtube.com

2018年下半期によく聴いたMix

2018年下半期編です。上半期編と併せてお読みください。気が付いたら2月も後半ですが…

 

www.mixcloud.com

ものすごく良いです。たぶん多くの曲でEditしてる?のかなと思うのですが(御本人に確認したところ特にEditしているわけではないとのことで余計にびっくりしました……)質感・選曲ともに最高です。どなたかも言及してましたが、クイックでSuchmosを流してサンドイッチにするのは聴いてて驚きがすごかったです。

北海道のシーンは全然存じ上げないのですが北欧ジャズと同じで寒い地域の音楽性には信頼感があります。一度行ってみたいですね。

 

www.mixcloud.com

ヤマタツのバレアリック感ある楽曲やRemixのみで構成されたMix。山下達郎にはたしかにこういう面があるのは承知していたのですが、解釈として示されたのはこれが初めてだったので若干衝撃的でした。冒頭みたいにループさせると一気にNew Age感が出るのも発見でした。

 

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