週刊ネコ通信

日記とか備忘録とか。

2018年上半期によく聴いたMix

2017年後半は仕事周りで大変にバタバタしており余裕が無く、その反動なのか2018年上半期は随分Mixを聴いた気がします。移動時間が生じたらだいたいどなたかの作品を聴く…という生活でした。そんな中でも特に印象に残り、何度も繰り返し聴いたMixを拙い解説付きでお伝えします。

※私が気に入ったMixを勝手に取り上げさせて頂いておりますので、何か間違いなどありましたらTwitterなどを通じてご連絡くださればと思います。

 

まずは数週間前に発表されたばかりの話題のMixを。

おそらく90年代のJ-POPを中心に構築された、INDGMSK氏によるLocal Visions発のMix。

digの質・解釈ともに本当に素晴らしいものがあると感じました。

「90年代」のCityPopに関しては、(鬼のようなdiggerがたくさんいらっしゃる)70〜80年代CityPopに比べるとまだまだブルーオーシャンと思える部分が多く残されていると個人的には感じていますが、このMixにより一つの総括がなされ、これからますます広がりを見せていくのではないかという大きな期待を抱くことが出来ました。

90年代は時代背景的にアーバン〜リゾートの幻想は崩壊してしまっており、80年代以前と00年代以降に挟まれたアンビバレントな空間です。そうした微妙な空気を的確に掬い取り、なおかつ80年代からの流れも引き継いでいるというとてもおいしい音だと思いました。

有志の方による「light mellow部」という90年代CityPop関連のCDレビューブログも運営されており、頻繁に更新されるうえ大変読み応えがあります。

http://lightmellowbu.blog.fc2.com/

 

 BPM80~105のアニソン、キャラソン、声優楽曲のMix。最新の声優楽曲も織り交ぜつつ絶妙に挟まれる過去曲に唸ってしまいました。このBPM帯の声優楽曲Mixとしては上半期で一番よく聞いたかもしれません。

とてもバランスがよく、何度もリピートして聴かせていただきました。能登麻美子さん、いいですよね…

 

 新Mixが出るたびチェックさせて頂いているushiwaka氏の湯wire@蒲田温泉での同録。

1曲目からブチ上がれる選曲で朝仕事場に向かう最中に聴いて気合を入れさせて頂いておりました。

途中のバレアリックみある楽曲群は、普段あまり聴かないジャンルではあるのですが、是非この機会に色々探してみたいなあと思いました。

 

 緑茶さんが数年前にリリースされた「『緑茶のSomething Dreams Multimedia Countdown vol.3』 2016」(下記)は数え切れないほど何回も聴いており、新作が出ないかな…と心待ちにしておりましたが、GiRLPOPのMixを発表され、大歓喜といったところでした。

テンポよくGiRLPOPの洪水に押し流されることができ、一気に聴けてしまうMixでした。何と言っても1曲目の自動車のスタート音始まりが良い…

こちらも↓

『緑茶のSomething Dreams Multimedia Countdown vol.3』 2016

 

今回のMixで使われている『藍蘭島』の「Hatsukoi」は以前から聞いていた楽曲のはずなのですが、このMixの流れで聴くとまるで別物のように聞こえ、びっくりしてしまいました。

既に知ってる曲でもDJの解釈によって全く別の曲に聴かせてもらえる、というのは物凄い贅沢だなと思いました。

 

仙台で2番目に身長が高いDJことyukari_hinata氏のボカロMix。

イベント公募用に1年ほど前に作成されたMixですが、昨年後半から長く聴き続けています。ボカロがここまで進歩していた、というのは正直言って把握出来ていなかったです。ボカロに関しては、「高速BPM・派手・全部ロック」という先入観があり(申し訳ない)、食わず嫌いな部分がどうしてもあったのですが、こうして良曲をスムーズに繋げて提示されるとそうした偏見は吹き飛んでしまいます。

Mikuhopというのか、VocaRnBというのか、とにかく究極的に穏やかな気持ちにさせてもらえるMixです。

 

2月にアップされたものですが、発表直後に聴いたとき、なんというか「最近感」に具体的なリアリティがあり、不思議な気持ちになりながら聴いていました。気が付くと聴いていたMixの一つです。

 

声優レアグルーヴのプロモMixであり、ファンキーなシティポップ調の楽曲を中心にセレクトされています。「これだよこれ !」という納得感がやはりあり、トラックリストと照らし合わせたりしながら聴いていました。ご近所物語キャラソンはどれも良い。

 

 "良い曲は良い曲、好きな曲が良い曲"という当たり前の事を思い出させてくれた最高のMixでした。「Objection」は最高!

アルコールを消費しながら録ったとのことでしたが、そのせいもあるのか特に中盤のキレがキレッキレのキレですごいです……

 

そして、2018年上半期で一番衝撃を受けたMix群を……

是非、まずは聴いてほしい。一度でわからなかったら何度でも聴いてほしい。

90年代のJ-POPのうち、ファンキーなベースで無限に踊れる楽曲をこれでもかと盛り込んだ内容となっており、最近の楽曲は使われていないのに、驚くほど今の時代にマッチした響きがします。

リリースは数年前なのですが、知ることが出来て本当に良かったという内容でした。

ブギウギ温泉1もあり、そちらは若干時代を遡った構成となっています。

 

Tumblrも読ませていただきました。

https://thaithefish.tumblr.com/

"現代の「生き辛さ」を感じながら、何故僕らはシティポップなんか、“良かった時代の”都会の煌びやかな生活や余暇を思わせる音楽なんか聴いているのだろう。"

シティポップは都会へのあこがれや、リゾートへのあこがれが生み出した一種の共同幻想だったわけですが、潮が引くようにいつの間にかなくなり、そして10年代にVaporwaveという近未来・近過去を引き摺るような概念として再生産された、と解釈しています。

シティポップとは永遠の理想を追い求めることなのかもしれません。

 

thaithefish氏は他にも精力的にMix発表をされており、ブックオフ感あるジャケが印象的な「Looking for the Melted Crystal」シリーズも幾度となく聴きました。

こちらはブギウギ温泉とコンセプトが近いようで、繰り返し聴くと方向性の違いが見えてきて興味深いです。

各所にほんの少しだけ漂うチープなサウンドが至高のエッセンスとなっております。

各曲ごとに丁寧な解説も付いており、感謝。

 

 

2018年後半もいろいろ聴けたらいいな、と心から思います。