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週刊ねこ通信

日記とか備忘録とか。

「Lars Jansson」をApple Musicで聴く

Music

Apple Musicの試用を開始した。

3ヶ月間試用無料という誘惑に負けた。音楽はCDで購入する人間だしこれからもCDで買い続けると思っているが、それでも膨大な音楽資産に自宅から自由にアクセスできるのは面白いし、思ってもみなかったアルバムに手軽に出会える意味は大きい。と思い始めた次第である。

というわけで早速私が最も敬愛するジャズピアニスト、スウェーデンLars Janssonラーシュ・ヤンソン)はApple Musicではどんな扱いなのか気になり、一日かけて調べてまとめてみた。

Larsを知らない人はこんな記事なんか読まないだろうから説明はほとんどいらないと思うが、彼は北欧ジャズを代表するピアニストであり、作曲家としての才能もかなり高い。スタイルとしては一部Bill Evansに近いものがある。日本での人気が高いらしい。トリオを中心に活動しているが、カルテットやボーカル物、ビッグバンドを演ったりもしている。

今年で64歳になるLarsの著作は膨大であり、当然Apple Musicに全部入っているわけもなく、またLarsについて語る上で重要な盤がいくつか抜けていたりしてちょっとおもしろくないところもあるのだが、それでもいくつか知らなかったアルバムに出会えたりしたので、これだけでも試用したことにかなり満足している。

 

ちなみに、今回書いた中では『Scandinavian Summit - The China Concert』と『Dream Dancing』がダントツでおすすめ盤である。

 


目次

 


ちょっと珍しいLars 編

スタンダードな盤を紹介する前に、Apple Musicで見つけたちょっと珍しい盤を紹介したい。

Where We Belong(2015)

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新譜(出てるの知らなかった)。Thomas Fonnesbaekというベーシストがリーダーのトリオ盤。全体的に派手さはなくゆったり安心して聴ける。インタープレイ感は弱めだが、Larsトリオの新しい録音として楽しめる。

 

Sound of my Colors(2013)

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これも見逃してた…上記『Where We Belong』と同じThomas Fonnesbaekがリーダーのトリオ盤。Thomas Fonnesbaekはデンマーク出身のNHOペデルセン直系のベーシストらしいですね。これがデビュー盤の模様。2枚目の『Where We Belong』よりもインタープレイ感がつよく聴いていて楽しいのでまずはこちらから聴くといいかも。

T2に「New Hope」とあったので一瞬期待したが、綺麗なバラードでした。

T5の「Green as D minor」はこのアルバムの一つの山。90年代後半のLarsを彷彿とさせるレイドバック感が堪らない。北欧系が好きならここだけでもアルバム一聴する価値がある。

T9は「枯葉」、Larsのソロを採譜して2-5ラインの教材にしたい。

 

Scandinavian Summit - The China Concert(2000)

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なんだこのアルバムは!!!これも知らなかった………えぇ……Apple Musicに大感謝した。

2000年11月に北京と上海で行われたライブを収録したアルバム。デンマークのレーベルから出ている。ライブ盤だが音質は比較的良好。編成にビブラフォンとサックスが入っているので単純に音像が大変豪華である。アルバムを通して全員が代わる代わるそれぞれの音楽を聴かせてくれるので飽きない。屈指の名盤だと思う。

T1「The Prize of Everything」。ビブラフォン曲。

T2は「Hope」。ライブ盤ぐらいでしか新しいバージョンを聴けないのでとても嬉しい。

T4「Living Under the Road to Paradise」。アルバム『Hope』収録のおなじみの曲。いやビブラフォンいいですね…

T7「Soft Breeze」。ミディアムでマイナーないかにも北欧という感じのジャズ。最高におしゃれでもあるがエグい音符も多く、LarsとビブラフォンのSeveri Pyysaloが紡ぎだすスパンの長い緊張感が堪らない。名演。

メンバー:Jesper Bodilsen(b), Morten Lund(ds), Lars Jansson, Tore Brunborg(ts, ss), Severi Pyysalo(vb)

 

Dream Dancing(1997)

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意外と歌伴もしているLars。Katrine Madsenという女性ボーカリストがピアノトリオ(トランペット)の上で歌っている。低い音域で歌っているので女性ボーカリストにありがちなキンキンした成分がなくとてもリラックスして聴ける。スタンダード多めだし。全編全力投球だがKatrineの肩の力の抜けた歌のおかげで聴いていて疲れない。名盤。

とてもオシャレで好みの盤なのでCDでも買いたいのだがAmazonではCD在庫切れ。発売も古めでなかなか出会えないので見かけたら即買すべきアルバムである。

T5の「The Song Is You」、よいです。

 

Song for the Brokenhearted(1993)

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Göran Fristorpはスウェーデンの男性シンガーソングライター。1948年生まれのベテランで、とても男前な声質である。

アルバムは終始LarsとGöranのデュオである。非常によい(適当な形容詞を見つけられない)。2人の技量を心ゆくまで堪能できる。デュオにありがちな単調さは皆無。上記『Dream Dancing』と合わせて、普段ボーカルジャズを聴かない人にもおすすめ出来るアルバムだ。

マスタリングも90年代っぽくて好みである。

90年代Larsの隠れた金字塔かもしれない。これも名盤。

 

Hawk on Flight(1984)

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まさかのフュージョンである。80年代とはそういう時代だったのだ…

Hawk On Flightは76年結成、96年解散のスウェーデンフュージョングループ。フュージョン詳しくないのでわからないのだが、wikipediaによると電化マイルズやWether Reportと引き合いに出されることもあるバンドらしい。何度かメンバー交替もしているようだ。

Hawk On Flight – Wikipedia

Matz Nilssonフレットベースがブリブリ言わせてたりEWIらしき音色が飛び回ったりJumpブラスがこんにちはしたりDepth深めのダイノローズが鳴り響くなどいかにもという感じはあるが、Wether Reportほど先鋭化しておらず、ジャスコにはなっていないという意味でのよさはある。

Larsはピアノを弾いたりローズを弾いたり、(たぶん)シンセも弾いたりしている。

 

Längs Ekots Stigar(2011)

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ジャズではない、クラシカルなアルバム、荘厳なボーカル曲や、木管と弦のアンサンブルだったりして、たまにLarsが伴奏のようなピアノを奏でている。ジャズ の合間に聴くとほっこりするアルバムである。ヒーリング系ではあるが音楽的にも聞きどころがないわけではない、という個人的感想を持った。

リーダーのMartin Baggeはスウェーデン出身の歌手。英語の情報が少ないのでわからないが、名前で検索するとクラシックギター抱えた画像が出てくる。

 

 


スタンダードなLars 編

こちらがより一般的なLars Janssonのアルバムである。一番の代表作であるアルバム『Hope』がApple Musicではどうやら聴けないようなのが残念過ぎる…またバラード集『Ballads』も聴けないみたい。

A Window Towards Being(1991)

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古めのLarsってやっぱいいよねってアルバム。T1「More Human」、T7「Marionette」T10「Inner Room」が有名曲。

 

Invisible Friends(1995)

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全アルバム中でも屈指のインタープレイが聴ける名盤。ピアノは非常に繊細なタッチでこちらも緊張してしまう。

T2「Learn to live」、T3「The great belonging」T5「Freedom and destiny 2」、T11「The return to zero」あたりがお気に入りのトラック。

 

The Time We Have(1997)

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なんだか無駄にコンテンポラリー感溢れたアルバム。

 

Witnessing(2000)

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T2「Get It」はLarsが得意とするミディアムテンポで個性が十二分に出た軽快なソロが聴ける。7拍子イントロから始まるラテンナンバーT8「Just Being」はおすすめ。自由過ぎるレイドバックがすごい。T10「Resting in the shadow」はミディアムバラードの隠れた佳作。

 

I Am That(2004)

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このアルバムは何と言ってもT1「I Am That」でしょう。この上なく美しいピアノイントロから始まり、Cmを基調としたシンプルなコード進行ながら最後まで途切れなく推進力溢れるフレーズが続く。これは、このコード上でちょっと自分で弾くといかに難しいことをやっているのかわかる。このトリオのお家芸が堪能できる曲である。

 

Worship of Self(2012)

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少人数の弦楽・木管アンサンブルとLarsが共演。綺麗なのだが、随所に現代音楽的な怪しさが香るアルバム。

 

In Search of Lost Time(2012)

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おすすめは、T5「In Search of Lost Time」、T10「A Rare Italian Bird」、T12「God's Who Shit」、T13「New Room」など。

よく知らないが、聴いているとたぶんLarsは神をかなり信じている気がする、という気がする一枚。

トリオの公演を観に行き、このアルバムを購入し、とってもニコニコしているLarsにサインを貰った時のことが忘れられない。

 

EQUILIBRIUM+(2013)

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サックスのHans Ulrikを迎えたカルテット。

T3「Hilda Smiles」が好き。

Lars自作曲中に出てくる「Hilda」が誰なのか気になり続けている

 

One Poem One Painting(2003)

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Larsの曲をビッグバンドで演奏したアルバム。T9「Marionette」はやはり名曲。

 

おわりに

Apple Musicしゅごい……

ちょっとでもLars Janssonに興味を持ってもらえたとしたら、私としては嬉しい限りである。