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週刊ねこ通信

日記とか備忘録とか。

仙台市、電波塔をめぐる旅

仙台市民が俗に「仙台タワー」のような名前で呼んでいる建築物がある。仙台市中心部から南西の方向に見える山の上にそびえ立つ電波塔がそれだ。夜間はライトアップされるので意外と目立つ。

皆、電波塔の存在自体は知っているのだが、駅から遠く電波塔を見るために現地まで行ってみたことがある人はほとんどいないのではないだろうか。まるでおじゃる丸の月光タワーのようである。実はいくら近づこうとしてもたどり着けなかったりして。

そこで8月某日、友人Aにわざわざ車を出してもらって実際に電波塔まで行ってみた、というのが本記事である。なお、友人Aと会った当日にノリで考えた企画であり、「なんでこんなことしてんだろう」というバカバカしさと「電波塔見て回るだけでもこんなに楽しい!すごい!」というバカさとで終始二人で異様に盛り上がっていた。その臨場感を(伝わらないだろうけど)書き残せたたらなと思う。

 

電波塔は合わせて4本あり、3本は仙台市太白区の大年寺山に、もう1本は大年寺山の西に位置する八木山に立地している。詳細についてはWikipediaを。

大年寺山 - Wikipedia

ちなみにこのページ、大年寺山の記事のはずなのにほとんど電波塔の記述になってるのが面白い。

これらの電波塔は1本を除いてライトアップもされるのだが、ネット上にアップされているのはライトアップされた写真ばかりで、昼間撮影された写真はほとんどない。そのため、どうせならとあえて真っ昼間に電波塔巡りをしている(本当はできれば夜にも撮影したかったけどさすがにめんどくさいので諦めたのは内緒)。

当日、友人Aの運転でまずは大年寺山を目指した。仙台市野草園という施設があるのでここを目印にするとよい。駐車場は野草園の建物前からもうちょっと道なりに進んだ、バス停「野草園前」のそばにある。駅からここまでは市バスでも来ることができる。

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駐車場から電波塔が拝める。これがNHK仙台放送局東北放送東日本放送共用の電波塔である。記念すべき1本目の塔との邂逅を遂げた。シンプルな電波塔で、4本の中では唯一ライトアップされない。

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別アングルから。

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ひと通り眺めて満足した後、せっかくなので仙台市野草園を訪れた。

www.sendai-park.or.jp

入口(ブレ)。

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受付の建物を通り、野草の園に入り込む。野草を眺めるところなので特に派手さは全くないのだが、芝生もあって現実から逃れてピクニックするには最適だと思った。近所の方が何組か夫婦でいらっしゃっていた。なお、建物内には喫茶店のようなスペースがあり、簡単な食事を頂くこともできる。

庭園内はかなり広く、芝生広場と、小川や林などの植生を再現した区域を遊歩道沿いに散歩できるコースとに大きく分かれている。時間がそれほどあるわけでもなかったので後者の遊歩道をめぐることはできなかった。残念。

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芝生広場。

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話がちょっと逸れた。 

芝生広場からパノラマ撮影を使えば大年寺山の電波塔を3本同時にギリギリ撮影できる。

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おおー。

画面右から仙台放送エフエム仙台・モバキャス共用電波塔、中央がNHK仙台放送局東北放送東日本放送共用電波塔、画面左に小さく写っているのが宮城テレビ放送の電波塔である。

仙台放送エフエム仙台・モバキャス共用電波塔は赤白2色のデザインが素敵。

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野草園に満足し、大年寺山の3本目の塔を見るために少し移動。

結構狭い路地を車で走ると3本目、宮城テレビ放送の電波塔が見えてくる。

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私はこういう建築物に詳しくはないし、普段は特別興味も持っていないのだが、こう間近で構造を見てしまうとなんだかワクワクしてしまう。

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野草園からこの塔に向かう途中には、茶室「茂ヶ崎庵」がある。雰囲気のある外観を持っていた。また、野草園側から向かうだけでなく、山の下の大年寺跡から長い石段を登って来ることもできる。石段は部活動中の男子中学生が駆け上がったり駆け降りたりしていた。お疲れ様です……

3本目のこの塔の根元まで来ると、再び3本を一度に眺めることができた。通常なかなか訪れる場所ではないし、隠れた絶好のスポットを発見した! と狂喜したのだが、あとでWikipediaをよく読んでみたら2007年撮影の全く同じ構図の写真が載っていた……まあ、こちらがおそらく2015年時点で最新の画像です、ご査収ください(画面右から宮城テレビ放送の電波塔NHK仙台放送局東北放送東日本放送共用電波塔、仙台放送エフエム仙台・モバキャス共用電波塔)。

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ここに着いた時から、歩道などが妙に整備されてるな…と訝しんでいた。f:id:tsumakazu:20150820102539j:plain

なんだここは……

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なんだこれは……

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かなりの数の灯籠がある。正直これだけの数が整然と並んでいると少し不気味である。中には入れないようなので、腕を伸ばして撮影している。

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すごい……

杜に守られている、という印象を強く受けた。

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なんというか、ラスボス感がすごい。友人Aは「ドラクエやったことないけどこれドラクエだ、物語終盤になると鍵がもらえて中に入れてラスボスと戦うやつだ」と感想を述べていた。 

 

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案内板の記述を以下に抜粋。

無尽灯廟(むじんとうびょう)

仙台藩4代藩主伊達綱村は元禄10年(1697)、のちに黄檗宗日本三叢林の一つと称される大年寺を建立し、伊達家の菩提寺としました。綱村の没後、遺言により大年寺山に墓所が設けられ、5代吉村、10代斉宗、12代斉邦と、その夫人たちが葬られ、無尽灯廟と名付けられました。墓石は6トンもある花崗岩で、福島県相馬地方から運んできたものです。壮麗な経ヶ峯の墓所とは対照的に、もともとは瓦葦の覆屋が建てられていました。

そうなのである、ここは初代藩主伊達政宗が眠る瑞鳳殿と比べると極めて質素ではあるが、由緒正しい伊達家の墓所なのである。このような形式をとったのは4代藩主綱村の遺言「先規に従い毎世廟を建てなば後世子孫何を以て保たん、我死せば墓石を建て、瓦葺の屋根を覆うまでにすべし」に由来するらしい*1

当時の伊達藩はかなり財政的に厳しい状態にあったはずで、そのために綱村はこのような遺言をしたのではないかと推察される。伊達家の墓所というと絢爛な瑞鳳殿ばかりがもてはやされ、ひっそりとした大年寺山の無尽灯廟を知る人は少ない。なんとも歴史的ノスタルジーを感じてしまう。4代藩主が開いた大年寺も明治維新後の廃仏毀釈をきっかけに衰退し取り壊されてしまったという。

あまりにも遠い過去の話のように聞こえる。

案内板によると、大年寺山には無尽灯廟のほかにも、6代藩主宗村、7代藩主重村らを祀った「宝華林廟」、維新後に神式で葬られた13代藩主慶邦以降の歴代当主の墓があるようだ。

電波塔を追い求めてなければこの興味深い墓所を知ることもなかったはずで、この発見を友人Aとともにやたら喜んだ。

なお、もっと奥に進むと仙台市中心部を眺め下ろすこともできる。樹木が邪魔だけど。

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話がだいぶ逸れた。

大年寺山を去り、4本目の塔に向かう。この塔は東北放送の電波塔であり、大年寺山の隣の八木山、主要道路沿いにあるので近くまで行くのは比較的容易である。八木山動物園も近い。

こんな感じ。

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ちなみにこの塔はライトアップ後の写真も撮ってある。こんな感じ。小さい子が見たら「東京タワーだ!」って言うのではないだろうか(適当)。

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という感じで、電波塔を見ていたら一日が終わってしまった。友人Aは県外から来てくれたのに電波塔しか見れず、かわいそうであった。

 

【参考リンク】

仙台市 杜の都 緑の名所100選/大年寺山

…大年寺山についての記述。こういう風に撮れば3本綺麗にファインダーに収まるのね。。

宮城史跡巡り 伊達家歴代十三代

…伊達家の史跡について知りたい方はこちらをどうぞ。

*1:参考リンク中の「宮城史跡巡り 伊達家歴代十三代」より